新型コロナウイルスからの教訓
新型コロナウイルスを巡る日本社会の混乱をみながら、私は3つのことを確認できたような気がします。
(1).ビッグ・イベント頼みの経済活性化の危うさ
東京オリンピック及びその開催に照準をあわせた東京大開発事業、リニア中央新幹線、カジノ、大阪万博などなど、日本では今後短期の間に超ビッグ・イベントをいくつも予
定されています。北陸新幹線の延伸が霞んでみえるほどです。
これら周辺の環境整備を含め多額の公共投資が行われCool Japanはますます魅力的になるでしょうし、海外からもさらに多くの注目を浴びることになります。日本は再び自
信を取り戻し、国際的な信用も回復する。景気も上向き、東日本大震災以降の念願だった高い経済成長率を達成する。少子高齢化社会でも持続可能な社会保障制度にも光が見
えてくる。
あまりにも出来過ぎたシナリオでした(私のなかでは既に過去形)。私たちの足下には、コツコツと地道に成し遂げねばならないことが山積しているのではないでしょうか。
(2).不要不急の事業の多さ
つい先頃まで予定されていた様々なイベントが俄に中止、ないしは延期され始めました。来月初頭に予定されていたある会合の主催者から昨日こんなメールが送られてきました。
“新型コロナウイルス等に対する感染症対策の準備を進めてまいりましたが、拡大防止の観点より、無観客で開催のうえ、後日、@@@ホームページで動画配信させていただ
くこととなりました。参加を楽しみにしておられた皆様には誠に申し訳ございませんが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。”
いえいえ全く問題ありません。ご連絡有り難うございます。
他方、子ども達が楽しみにしていた社会科見学や卒業式にあわせて行う予定であったお祝いの会なども中止になりました。残念ですがこればかりはしかたがありません。今後の関心事は、どの時点までこの自粛が続くのだろうか、ということです。新年度が始まる春ごろまででしょうか、それともオリンピックの閉会式終了まででしょうか。と同時に、不要不急とみなされる事業や仕事はこれを機に綺麗さっぱり整理しても良いかもしれません。堀江貴文氏は2016年に「99%の会社はいらない」という本を出されています。会社だけでなく仕事の中身を見直す良い機会です。ベーシックインカムの議論とあわせれば、案外、人口減少や労働力不足が杞憂に終わるかもしれません。